「教育業界の未来」はどうなる?

少子化にともない、子ども1人にかけられる費用は年々上昇しています。
「シックスポケット」という言葉でも表されるように、両親だけでなく、 それぞれの祖父母からの援助も受けられるというのが、今では一般的なようです。
教育費についても同様の状態で、こちらも年々増加していると言っていいでしょう。

また、このような状況を受け、公立の小中学校に通っている子どもが、 塾にも通っている割合=「通塾率」も上昇しています。 2007年度の調査では、特に小学生で塾に通い始める学年が早まり、通塾率は25.9%

前回調査の93年度に比べ、2.3ポイントの上昇という報告が出ています。
つまり、この教育費と通塾率の上昇曲線が、少子化による通塾対象人口の減少曲線を上回ることで、 市場規模は「拡大・維持されている」というのが現在の教育サービス

産業の様相です。今後も少子化は少なくとも10年は進んでいくことは確実ですが、 教育産業自体はまだまだ伸びていくことが予測されています。

学校との共存

かつて学習塾は、受験戦争をあおる存在として文部省などからは敵視されていました。

が、1999年に文部省の諮問機関である生涯教育審議会が行った提言で「学校教育と塾の共存」という方針に転換となり、 公立校と学習塾が互いに手を取り合う試みが各地で広がっています。
公立学校で塾が受験講座を開講したり、学習塾の研修に学校教員が参加して授業技術を学んだり等、 様々な活動がその例として挙げられるでしょう。

また、民間企業出身の公立中学校長の誕生や、企業や塾が運営する株式会社立の学校が出来たりと、 官民を超えた動きも活発になってきています。
学習塾は今、学校とともに日本の教育を担う存在になりつつあると言えるのではないでしょうか。

時代のニーズに合わせた教育サービス

学習塾では元々、集団授業形式が大部分を占めていました。
しかし近年、「子ども1人ひとりを見てほしい」というニーズに合わせ、 個別指導という形態や少人数制のグループ授業などの新しいサービス形態も生み出されています。

また、インターネットの普及とともに、「インターネット塾」などのサービス開発が進み、 今まで塾に通えなかった地域の子ども達にも通塾の機会を創出できるようになりました。
他方では、「理科の実験教室」等を行っている塾もあります。実際に子ども達に体験させることで、 理系科目への興味・関心を高め、理系離れの進行を防ぐのが目的です。

このように塾業界では、子ども達を取り囲むニーズや環境の変化に対応しながら、成長してきているのです。

学習塾の未来は

先の安倍内閣が「教育再生」を政策の重要課題に取り上げたことをきっかけに、世間でも教育業界に対する注目が高まっています。 「少子化」「ゆとり教育からの転換」「子どもの学力低下」「教育再生」「通塾率」など、教育業界を取り巻く環境には、 様々な要素が含まれています。
そんな複雑な環境の中で変わらないものは「子どもの将来を考える親心」ではないでしょうか。 「子どもに質の高い教育を受けさせてあげたい」「子どもに幸せな将来を迎えさせたい」という親の気持ちは、いつの時代も変わりません。
そんな親心に応えられる教育サービスを提供することができれば、市場へのニーズがなくなることはないでしょう。 ニーズをとらえたサービスを提供できるかどうかは、これから教育の現場で働いていくであろう、皆さんにかかっているのです。